9月に入って、だいぶ涼しくなってきましたね!
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2026年9月11日(金)田澤 美雪推薦
なぜ認知症の人は、家に帰りたがるのか?p206〜p224
キクさんのように。注意の問題で、誤認して口に入れてしまう。しかし、口には入れてみたものの、どうしてもおいしいとは感じられず、食べられないとわかるので、いつまでも噛んでいる。食べられないとわかるので、いつまでも噛んでいる。食べられないのがわかっているのに、なぜ吐き出さないのかと言うと、一度口に入れたものを出すのは、下品だと言うような、子供の頃に教え込まれた習慣が残っていて、吐き出すと言う行為が人前でしにくいからかもしれません。その場合、出さなきゃダメよと周囲の人が焦って出せよせようとすればするほど、頑なになってしまうかもしれません。
対策としては、ご本人はまずいとわかっているのだから、すぐに飲み込む可能性は、低いので、周囲の人も一旦リラックスすることです。
口の中のものを安心して吐き出されるような、その人のプライベートスペースや、楽しい雰囲気を作ることが必要なのです
食べられないものを口に入れてしまったら、・・・・
まずは落ち着く。
普段からものの取り間違いがないような環境調整をしましょう。
ご本人の思い
うっかり間違えて口に入れちゃいました。
家族は、飲み込んだらいけないと、慌てて口から取り出そうとしまいがちです。しかし、ご本人の立場では、相手が大声を上げて、
突然口の中に手を入れようとしてきたら、驚いて混乱してしまいます。このような対応ではうまくいくはずがありません。
アシストポイントは、まずあなたが落ち着く事です。
家からものを取り出そうとするのではなく、落ち着いて安心できる雰囲気の中で、お菓子を進めるなどして、口に入ってるものを出してもらうのです。
もう一つ重要な事は、誤飲の予防です。ご本人の生活習慣に配慮して、うっかり取り間違えてしまうことのないよう環境調整をすることが大切です。
事例13
なぜ薬を飲み忘れたり、飲み方を間違えてしまうのか。
なっさん、女性、81歳、要支援2、アルツハイマー型認知症、一人暮らし
夫を癌で看取ってからも、できる限り、自分の事は自分でしたいと一人暮らしを続けてきた夏さんでしたが、80歳になる頃、自ら漠然とした不安を抱き、地域包括センターに相談に行ったことがきっかけで、定期的な訪問と言う形で専門職の支援が入りました。
訪問の前日に連絡すると、必ず気をつけていらしてくださいねと対応してくれていた夏さんでしたが、ある時、いつものようにお宅に伺うと、きょとんとした表情をされました、。話しているうちに知らない人ではないと気づいたようでしたが、室内のカレンダーからもなつさんの変化が分かりました。
夏さんは、飲み忘れがないようにと薬を一方にまとめてもらい、カレンダーに貼り付けて管理、服用してきました。これまでは
ほぼ間違いなく服用していましたが、訪問した日の翌日の薬までなくなっていたのです。
脳科学からの解説。
失敗してしまうのは仕方がないこと。
アルツハイマー型認知症では、どこまでやり遂げたか分からなくなることがよくあります。事例01で述べたように、海馬の萎縮のせいで味噌汁を作ろうと思ったこと自体を忘れるとか、味噌汁作りのどの段階までやったかわからなくなることがあります。また、事例09のように、今日は何年何月何日なのかがわからなくなると言う見当識障害も起こります。
どこまでやったのか、そして今がいつなのかわからなくなることで、この事例のように、薬を飲み忘れてしまう/飲み過ぎてしまうこともあるのです。
できる限り、自分の事は自分でしたい。そんな夏さんでも、海馬の萎縮度合いが大きくなるにつれ、どうしても失敗してしまうことが出てきます。
それはこの病気である限り、仕方がないことです。
ここまでやったから、次はこうと言う認識が、新しいことを覚えにくい場合、難しくなってしまいます。
カレンダーと言う時間の流れの中で、ここまで来たから、明日は何日と把握すること、また、朝、昼、晩と言う流れの中で、昼の分は飲んだから
次はこれと把握することが難しくなってしまうのです。
対策としては、どういうことなら、その人が1人でできるかを見極めて、できることには干渉しないで、その人が安心して応答できるようにする。
しかし、どうしても失敗しては困ること、例えば薬の管理などは飲み忘れや飲み過ぎがないように、他の人が確認するなどのアシストが求められます。
工夫は常にアップデートする。夏さんが行っていた、カレンダーに一包ずつ薬を貼り付けると言う方法は、とても良いアイディアです。今日飲んだものは取り外してあるのだから、これから飲む分だけは残っています。
一包一包取っていけば良いだけです。
なつさんは、このような工夫をすることで、1人で薬を飲むことができました。
ただ、今回初めて、先の日付のものまで飲んでしまったということで、また新しいアイディアが必要になったようです。
問題が起こるたびに、小さな工夫をする。1ヵ月分の管理が難しくなったら、1週間分ならどうでしょう。一気に全部を手伝うのではなく、今まで1人でやっていた期間を少しだけ短くするのも良いアイディアです。
病気の進行に伴って、いずれは毎回、他人が手渡しすることが必要になるかもしれませんが、良いアイディアやアシストがあれば、自分で薬を飲み続けることがもうしばらくできるかもしれません。
海馬に萎縮があれば、できなくなってしまう事はあります。しかし、それをどうやって補えば、元の生活に近い暮らしができるのかと小さな工夫を考えましょう。
例えば、料理をすることが億劫になったら、1人ではなく、2人でするようにする。
あるいは、施設で誰かと一緒に作業するようにする。そうすれば、また料理が楽しみになるかもしれません。
しかし、認知症は進行性の病気なので、前は横に立っている人に数えてもらえば、何をすべきかすぐに思い出せたのに、時間が経つとそれが少し難しくなって、同じ声かけでは料理ができなくなってしまうかもしれません。しかしそうなったらまた何ができるのかを考えてみましょう。
皮むきならできるのか。味見ならできるのか、お皿洗いならできるのか。あるいは子供さんが料理をするの横で見守ることはできるのか。このように何かが不得意になるたびに、新たな工夫をすれば台所に立ち続けることはできます。どんな状況になってもできることが見つかるものです。
図15:その人らしさの維持
認知能力は徐々に下がっても、問題が起こるたびに工夫をして、元の生活に近い暮らしをする。
トムキットウッドの、認知症のパーソンセンタードケアでは、徐々にアシストの量、工夫の量は上がっていくけれども、人間が見事に適応していく様子が現れて描かれている
社会的感情性は、健康な人と同じ。
工夫をし続ければならないのは大変だ、と思ってしまうかもしれません。しかし、心配無用なこともあります。
なつさんは、気をつけていらしてくださいねと言う思いやりが見せられなくなってきたとの事。
このようなことがあると、思いやりまでなくしてしまったのかと周囲の人は心配してしまうかもしれませんが、その必要はありません。
見当識に問題があって、明日来ると言うことが把握できていなければ、気をつけていらしてくださいねと言えないのは仕方がないことです。なつさんから、思いやりが消えてしまったわけではなくて、思いやりはもちろん残っているけれども、今ここで人を気遣うべきだ。と言う状況の認識が成立していないために、優しさを見られ見せられない見せようにも見せられないだけで、優しい気持ちがなくなってしまったわけでは無いのです。
実は、アルツハイマー型認知症の人の社会的感情性は、健康な人と同じであると様々な研究で示されています。
事例05でアルツハイマー型認知症になると、ビックファイブの外構性や協調性が下がると言いましたが、他人に全く興味がなくなるわけでも思いやりがなくなってしまったわけでもありません。他人の前で失敗することを恐れて、人に会わなくなるのであって、他人に興味をなくしたわけではないのです。むしろ他人に興味があるからこそ、自分のことを変に見られるのが怖いのです。
例えば、カップルで2人の間にある問題を話すときの目線を追跡すると、アルツハイマー型認知症の人は、健康な人と同じパターンを示します。
自分が相手について話を口にするときは、後ろめたさから相手から目をそらすし、相手が自分についての不満を口にするときは、気になって相手を凝視します。
つまり、アルツハイマー型認知症の人は、相手の気持ちに関心があるのです。状況が認識できて注意が記載すれば、以前と同じ優しい気持ちを示します。簡単にその人らしさが失われてしまったと思い込まないようにする事は重要です。
記憶力や注意力が多少損われても、感情は以前と同じに残るのです。
アシストポイント
それを知っていると、工夫が少し楽しくなってくるのではないでしょうか。
薬を飲み忘れたり、飲み方を間違ってしまったら・・・・
確認しやすい工夫を重ねて、支えていきましょう。
ご本人の思い
自分でちゃんとやっていきたいのに・・・
服用管理は、認知症の人にとって安定した日常生活を送るために重要です。特に一人暮らしの人にはとっておきな課題になってきます。
アシストポイントは、この事例で言えば、今日が何日かを確認しやすいように、カレンダーのそばに日付がアナログで表示される時計を設置するなどして、日時の検討式を助けると良いでしょう
1度の飲み間違いで、服薬管理が難しくなったから、一人暮らしは無理と考えてしまわずに、なぜ、今回の見間違えてしまったのか、どうしたら、間違えずに飲みやすいかを考え、ご本人ができることと、苦手になったことを支えて支援することが大切です。
アルツハイマー認知症の人が服薬管理ができなくなったら、ご家族や支援をするヘルパーさんが新しい工夫をしてあげて下さいね!
田中 深雪より
